最初に断っておきますが、新人トリマーさん向けの記事になります。
私は現役のトリマーです。
バリバリに犬と触れ合う仕事をしていますし、私自体は犬が大好きです。
そして職業柄、私の周りにも犬が大好きな人ばかりが集まってきます。
ただそのような環境にいると、ついついおろそかになりがちなのが、犬が苦手な人や犬が怖い人への配慮。
犬に関わる仕事をしているからこそ、このような方達への配慮は忘れてはいけません。
そして仕事ですので犬が好きだからと言って、飼い主さんと同じ目線で判断してはいけません。
ということで、今回は
- なぜトリマーが犬が嫌いな人、怖い人の気持ちを理解する必要があるのか
- お店に来るクレームから考える、犬が嫌いな人、怖い人の気持ちとするべき対応
- 犬が嫌いな人、怖い人とお客様の間で起きたトラブル
などをご紹介しましょう。
犬が嫌いな人、怖い人への理解がトリマーに必要な理由
犬が嫌いな人、怖い人の気持ちを理解する必要がある理由、それは
私たちが人間社会に生きているから
です。
当たり前のことですが、犬が好きな人は意外とこの部分を忘れがち。
人間社会に生きているのであくまで主体は人間ですし、優先するべきは人間の気持ちです。
路面店としてお店を出しても、ご近所さんが犬が好きな人ばかりとは限りません。
商業施設にテナントとして入った場合などは、不特定多数の人が訪れますので、犬が嫌いな人(犬が怖い人)も沢山訪れます。
このような時に犬が嫌いな人や怖い人への配慮が足りないと、ご近所付き合いも上手くいかず、お店へのクレームが多発します。
犬が嫌いな人、犬が怖い人!その理由とお店が配慮すること
犬が嫌いな人や怖い人の気持ちを知る上で重要なのが『そうなった理由』ですね。
ということで、これまでお店に来たクレームやお客様から実際に聞いた話から、よく聞く理由をまとめました。
犬が嫌いな人の理由
犬が嫌いな人からよく聞く理由が以下の様な物。
犬が嫌いな人の理由
- 汚い
- 臭い
- うるさい
- なれなれしい
簡単にいうと、お手入れがされていなかったり、しつけがされていない犬を嫌いな場合が多いです。
ただこれを真に受けてはいけません。
とりあえず目に付く理由としてこのような理由を言っているだけで、実際は犬の存在自体が嫌いという場合が多いこと。
ですので、
- 洗ったばかりで綺麗
- とても静か
- 人になれなれしくしない
というような場合でも、犬が嫌いな人が、犬を好きになってくれることはまずありません。
そして犬の嫌いな人の本心としては、できれば犬を見たくないというのが本音のようです。
まぁ、これは人間として当然の心理ですよね。
嫌いな物を見たい人間はいません。
ですので、商業施設にテナントとして入っている場合は
- 犬が入ってはいけない場所
- もしくは犬をキャリーから出してはいけない場所
など、その施設のルールをお客様に周知して、徹底的に守って頂く必要があります。
これが出来ていないと、すぐにお店にクレームが来ます。
酷い時は自分の店のお客様でもないのに、見知らぬ犬のクレームまでこちらへ来ます。
路面店でも犬が嫌いな人の家の前で粗相をしたり、吠え続けたりしていれば、すぐにお店にクレームが来ます。
まぁ、これも当然ですよね。
なのでお客様には犬が嫌いな人がいることを理解してもらい、ルールやマナーを守って頂く必要があります。
これができないと下手すると店ごと追い出されますからね。
犬が怖い人には理由がない場合が多い
犬が嫌いな人よりも対応が難しいのが犬が怖い人。
話を聞く限り犬を怖い人は特に何かしらの理由があるわけではありません。
生理的に無理というやつですね。
ただこれについては、私にも生理的に無理な生き物がいるので、正直気持ちがわかるんですよね。
このブログでは何度か言っていますが、私は蛇がとても苦手です。
犬好きさんには「蛇と犬を一緒にするな!」と怒られそうですが、蛇もいまや立派なペット。
好きな方は沢山います!
でこの様に生理的に無理な生き物の場合
- この子は小さいから怖くないよ!
- この子は大人しいから怖くないよ!
- この子は毒もないし安全だよ!
とか言われても、無理な物は無理なんですよね・・・。
私の場合、飼育ケースに入れられていても蛇がいる部屋には、いることができません。
そのような部屋には遊びに行くこともないでしょう。
そばに寄られることを想像しただけで気分が悪くなります。
想像のレベルになりますが、犬が怖い人も同じような感覚なのかなと思います。
そういうことを考えると、やはり自分のお店のお客様には犬が怖い人への理解を求めないといけませんし、公共の場でのルールやマナーを守って頂く必要がありますよね。
犬が怖い人からすれば、少しのマナー&ルール違反でも目についてしまいますからね。
女性では爬虫類や昆虫が多いようですが・・・。
それと同じ感覚みたいですよ!
犬が嫌いな人(怖い人)と犬が好きな人の間で起きたトラブル
では実際に身近で起きた、犬が好きな人と犬が嫌いな人(犬が怖い人)の間で起きたトラブルを紹介しましょう。
まぁ、これは犬が嫌いというよりも、犬が好きじゃないレベルのお客様とのトラブルも含みます。
ひたすら吠える犬とお客様のトラブル
私が働いているサロンはホームセンターの隅にあり、来店時にはどうしてもホームセンターの中を通る必要があるのですが・・・。
来るときにずっと吠えながらお店に来る犬もいるんですよね。
こういう子がくると高確率で来るクレームが
『ホームセンター内でひたすら吠える犬がいて煩い!』
です。
そして実際にクレームを頂いたお客様とも話をするのですが、やはり犬が嫌いな方が多く、吠え声を聞くと頭が痛くなるということ。
犬が好きな私としては多少の吠え声は平気ですが、嫌いな方の勘にさわるのは仕方がないことです。
冷静に判断すると公共の場で吠え続ける方がよくないですからね。
そしてこのように吠えてしまうワンちゃんには、お店に来るまで吠えないようにキャリーに入れるか、口輪をして頂く必要があるのですが・・・。
納得してくれないお客様が多い!
中には『虐待だ!』と言い出す人もいます。
虐待ではなく社会のルールというかシツケの問題なのですが、犬好きな飼い主さんにはなかなか理解されないですよね。
ただトリミングサロンのスタッフがお客様と同じような感覚で、吠える犬に何も対処しないと大変なことになります。
そこらじゅうからクレームの嵐です。
なので、好き嫌いではなく仕事として『一般的に考えて人間社会ではどちらの意見が正しいか』で判断しないとダメですよ。
そしてお客様にも犬が嫌いな人がいることを理解してもらいましょう。
ホームセンターで粗相をした大型犬とお客様のトラブル
大型犬がホームセンターの真ん中で粗相をしてしまい、それを踏んで転倒したお客様と飼い主さんが言い合いになり、結果大型犬が蹴られたことがありました。
飼い主さんの言い分としては『犬がしたことだから仕方がない!謝ってるじゃないか!』
踏んでしまったお客様の言い分としては『犬は何をするかわからないんだから、室内ではおむつをはかせろ!それが飼い主の義務だ!』
まぁ、犬が好きな私からするとどちらの意見もわかりますが・・・。
ただこの『犬がしたことだから仕方ない』は完全に犬が好きな人の理論なんですよね。
犬が嫌いとまではいかなくても、犬が好きでもない人にはこの理屈は通じません。
犬が何をするかわからないなら、対策をとるのが飼い主の義務です。
おむつが無理ならすぐに掃除できる準備はしておくべきですよね。
ホームセンターの真ん中に水溜りができていたら、他のお客様には迷惑でしかありません。
このような場合も『犬がしたことだから仕方がない』は、犬が好きな人以外には通用しないことをお客様に理解して頂く必要がありますね。
これも正しく対応しないとお店はクレームの嵐ですよ!
ただ一つ言いたいのは、犬を蹴るのは止めて頂きたい!
蹴るなら面倒をみきれなかった、飼い主さんを蹴って頂きたい!
犬はそこらへんの理解はできないので、可哀そうなだけですから・・・。
犬嫌いな人の気持ちを考えよう|犬が怖いに理由はない ~まとめ~
ということでトリマーという仕事をする上で、犬が嫌いな人(犬が怖い人)への配慮が必要なことがおわかり頂けたでしょうか。
この業界にくる方は基本的に犬が好きな方ばかりなので、犬が苦手な人の気持ちを考えない人が結構います。
ただし仕事としてやる以上は、犬が嫌いな人や怖い人に対する配慮は絶対に必要です。
特に最近は商業施設に入るトリミングサロンが多くなりましたので、この感覚がないと施設側とも揉めますよ!
犬が大好きな気持ちはとても大事なので大切にしつつ、そうでない方への思いやりや配慮も忘れないようにしましょうね!