

お客様にこんな質問をされることありませんか?
最近はお客様もネットで色々な情報を仕入れているので、かなり突っ込んで聞いてきますからね。
管理人は『犬に人間用のシャンプーは使える&代用も可能!ただし、お客様にお勧めするのは絶対に犬用です!』と答えています。
トリマーが『犬に人間用のシャンプーを使える!代用は可能!』と言うと、大概ビックリされますけどね!
もちろん管理人は適当に答えている訳ではありません。
今まで学んできたことや、経験から導き出した答えで『犬に人間用のシャンプーは使える』と言っています。
それでは、
- なぜ犬に人間用のシャンプーを使える&代用は可能と言うのか
- なぜお客様には犬用を勧めるのか
を説明しましょう!
なぜ犬に人間用シャンプーを使えるし、代用しても問題はないのか

犬用のシャンプーよりも、その犬の皮膚にあう場合もある。
ただし、判断できる経験と技術がなければ、犬用のシャンプーを使うのが無難だし、家で使うなら断然犬用!
シャンプーは犬用、人間用に関係なく犬の皮膚にあった物を使うことが大事です。
犬用シャンプーを使ってもその犬の皮膚にあっていなければダメです。
逆に人間用のシャンプーを使っても犬の皮膚にあっていれば何の問題もおこりません。
ですので、私は『犬に人間用のシャンプーを使えるし、代用しても問題ない』と考えています。
先生と呼ばれる人でも人間用のシャンプーどころか、中性洗剤(食器洗い洗剤)などで犬を洗う人はいますからね。
(イジメではなくて理由があってのことですよ!)
うちのトリミングサロンでも犬用シャンプーでは皮膚が荒れてしまい、人間用のシャンプーに変えたら、皮膚の調子が良くなった子もいます。
お客様の希望で、その子は今でも人間用のシャンプーを使っています。
上記のことから人間用のシャンプーを使うこと自体は問題ないのです。
ただし、何か問題が起きた時に責任問題になるので、仕事としてお客様に勧めるのは犬用シャンプーになってしまいます。

犬には人間用シャンプーを使える&代用も可能!ネットの反対派に反論!
さてこのように『犬に人間用のシャンプーは使える!代用も可能!』というと
『インターネットでは犬に人間用のシャンプーを使うことはNGと書いてあった!』
と言われることもあります。
当然のことですが『犬に人間用のシャンプーを使える!』と主張するからには、根拠のある反論をしなければなりません。
一般的に、人間用のシャンプーが犬に使えないと言われる理由は、次のような点ですよね!
ダメと言われる理由
- 皮膚のPHの違い
- 皮膚の厚さの違い
- 対象とする汚れの違い
- 香りの違い
犬と人間では皮膚の作りも、汚れ方も違うので、犬に人間用のシャンプーは使えないという理由です!
ただし、この理由はあまりあてになりません。
むしろ色々と矛盾しているのです。
1つずつ反論していきましょう!
犬と人間の「皮膚のPH」は違うから人間用のシャンプーは使えないに反論!
人間の皮膚は「弱酸性」、犬の皮膚は「中性から弱アルカリ性」!
皮膚のPHが違うから、犬に人間用のシャンプーは使えるわけがない!
犬専用のシャンプーを使うべきだ!
犬に人間用のシャンプーが使えない理由として、よく聞きく理由ですね!
なんとなく納得してしまいそうな理由です。
たしかに皮膚と同じPHのシャンプーで洗った方が、肌に良い気もします!
ただし、この理由は美容師さんや、トリマーさんなら、「??」となってしまいますよね!
その理由は次の通りです。
理由
- 犬用のシャンプーは、全てがアルカリ性ではない。逆も同じ
- 水道水のPHを考えていない
- 流行りの炭酸線は弱酸性
それでは、順番に説明していきましょう!
犬用のシャンプーは、全てがアルカリ性ではない。
人間用のシャンプーが全て「弱酸性」な訳ではありませんし、犬用のシャンプーが全て「中性から弱アルカリ性」な訳ではありません。
『犬に人間用のシャンプーが使えない』という方の中には、犬用のシャンプーは全て「中性から弱アルカリ性」という前提で話をしている人がいますが、そんな事実はありません。
その為、犬用のシャンプーだからといって、同じPHの物で洗っているとは言えません。
まぁ、人間用のリンスの類は別かな。
リンス類にはアルカリ性に傾いたPHを、弱酸性に戻す役割があるので、使えば確実に弱酸性に傾くでしょう。
ただし、人間も犬もシャンプーをした時に、一時的にPHが傾いても、自然と正常値に戻ります。
ですので「そんなにPHを気にする必要があるのかな?」という感じですね。
人間用シャンプーのPHは気にするけど、水道水のPHは考えていない
PHを本当に気にするなら、シャンプーよりも「水道水のPH」が大事!
『犬に人間用のシャンプーが使えない』理由がPHの値なら、シャンプー以外でも犬の皮膚につく物全てのPHを気にする必要がありますよね!
そうなると水のPHはとても大事です!
だって犬の皮膚にシャンプー剤が付いている時間より、水がついている時間の方が断然長いから!
シャンプーのPHだけ気にして、水道水のPHを気にしないのは意味がないです。
そこで、水道水のPHを見てみると、基準値(水道水として許される値)は「5.8〜8.6」なので、弱酸性から弱アルカリ性と幅広い定義!
pHの水道水質基準値(5.8〜8.6)は、水道施設の腐食等を防止する観点から、中性付近の値にあることが望ましいとして決められています。
これは、化学的根拠に基づく基準ではなく、過去の実態調査で、自然水のpHがおおむね5〜9であるという結果に基づいています。なお、東京の水道水のpHは、平成25年度、平均7.6(6.8~8.1)でおおむね中性です。
東京都は平均7.6(6.8~8.1)でおおむね中性だけど、弱酸性の時もあるっていうことだよね。
地域によっては、5.8レベルの弱酸性もあるということでしょう。
PHを気にするなら、犬も人間も水道水のPHが皮膚に近い日にしか洗えない。
でも、この基準値だと、肌とかけ離れたPHで洗い流すこともあるわけだから、この点からもPHを気にする意味を感じられない。
最近流行りの炭酸線は「弱酸性」!PHを気にするなら使えないね!
PH主張派が一気に不利になる要因が、最近流行りの炭酸泉!
お湯に炭酸ガスを溶かしたやつです!
別名は二酸化炭素泉!
トリミングサロンでも、皮膚によいなどの効能をうたってますよね!
高級なペットサロンでは、デフォルトで炭酸泉が使われていたりします!
かけ流しではなくて、炭酸泉の中にワンちゃんを10分程入れるサービスもあります。
うちのお店ではオプション扱いですが、ご利用になるお客様は多いです。
そんな炭酸線ですが、PHはなんと4.5~5.5の弱酸性です。
炭酸泉なんて犬の皮膚のPHを気にするなら絶対に使えませんよね!
でも、皮膚があれた子は今のところいません。
むしろみんな「毛がふわふわになった」、「皮膚の荒れが治った」と言ってるくらいですね。
PHの違いに害があるならトリミングサロンは、炭酸線を使えない。
でも沢山のお店で使われていて人気がある!
この点からも、PHを気にする理由はよくわかりませんね。
私が一番不思議なのがPHを理由に『犬に人間用のシャンプーは使えない!』と言っているのに、炭酸泉は使う人が多いこと。
理論が破綻しているのに気が付いていないのでしょうか・・・。
犬と人間の「皮膚の厚さ」は違う!けど人間用シャンプーの何が問題?
犬の皮膚は人間よりもとても薄いので、人間用のシャンプーでは洗浄力が強すぎて肌を傷める。
だから犬に人間用のシャンプーは使えない!
これも犬に人間用のシャンプーが使えない理由としてよく言われます。
なんか納得してしまいそうな理由ですね!確かに犬の皮膚は薄いからね!
ただ、犬用も人間用もシャンプーの洗浄力はピンキリです!
なぜか、犬用より人間用のシャンプーの方が洗浄力が強い前提なんですよね。
誰が試したんだろう。
そして薄いとはいえ、犬の皮膚を傷めるようなシャンプーは人間にもダメージがでるよ・・・。
人間は毎日シャンプーするんだよ?
そんなシャンプーは、人間でも使えません!
『犬に人間用のシャンプーが使えない!』と言っている人は、普段どんな強力なシャンプーを使っているのでしょうか。
基本的に肌を傷めるかどうかは、洗浄力より、洗い方が問題になることの方が圧倒的に多い。
正しい洗い方をしていれば、まず肌は痛めないですよね。
犬用と人間用はシャンプーが対象としてる「汚れ」が違う?誰が試したの?
人間は皮脂汚れもあれば、スタイリング剤もつける、犬は埃くらいしか落とす汚れがない!
シャンプーが対象としている、汚れの種類が違う!
だから犬に人間用のシャンプーは使えない!
これも犬に人間用のシャンプーが使えない理由としてたまに聞きます!
たしかに犬は鼻先や、足の裏からしか汗をかかないからねぇ。
長いことシャンプーで洗っていなくても、犬の皮膚がベトベトと、脂っぽくなることはないですよね!(病気の場合を除く!)
人間用シャンプーだと必要以上に皮膚の油とか、落としてしまいそうだもんねっ!
実はこの説を、管理人も一時期は信じてた!
犬用のシャンプーは皮脂の汚れや、スタイリング剤を落とす力はないんだと!
そんな洗浄力はないんだと!
しかし、これは間違いだということがわかったのです!

職業柄、シャンプーのサンプルをよく貰うんですよ!お店で余ることもありますしっ!
そんなサンプルや余った犬用シャンプーは、自分の髪を洗うのに使っています。
お客様の犬に、サンプルのシャンプーとか使えませんからね!
管理人はワックスやジェルも使いますし、40代なので頭から油も沢山でてきます!
そんな管理人の頭も、犬用シャンプーで汚れが落ちなかったことがありません!
ですので、犬用のシャンプーにも、皮脂汚れやスタイリング剤を落とす力はあります!
ちなみに管理人は40代にしては髪がある方なので、禿げてるから汚れが落ちやすい訳ではないと思うんだ・・・。

犬用シャンプーを使っている人間(管理人)の髪です!40代男性にしてはある方だと自負しています!そんなにパサパサでもないですよね!?
皮脂汚れやスタイリング剤を落とす力が犬用のシャンプーにある以上、シャンプーが対象としている汚れが違うから、犬に人間用のシャンプーは使えないとは言えないですよね!
犬用と人間用の「シャンプーの香り」の違い!香りもピンキリです!
人間用のシャンプーは、犬には香りが強すぎる!
だから犬に人間用のシャンプーは使えない!
もう、これも言うまでもありませんが・・・。
人間用のシャンプーも香りはピンキリです!
何回も同じようなことを言っているので、自粛しますね!
犬に人間用のシャンプーは使えるの?代用は可能?【まとめ】
ここまで人間用のシャンプーが問題ないと言っているなら、なぜお客様に犬用を勧めるのか!
その理由はたった1つ!
責任が取れないからですっ!
世の中の「○○用」と書いてある商品は、その対象以外に使う時は自己責任になります。
問題が起きた時に、人間用のシャンプーを使っていたと言えば、メーカーにも病院にも「犬用を使って下さい!」と言われて終わりです。
人間用のシャンプーを犬に使ったことが原因ではなく、飼い主さんの洗い方に問題があったとしても、問題の切り分けの時点で弾かれます。
シャンプーを作ったメーカーが人間用と言っている限り、それは人間の為のシャンプーなのです。
そうなるとトリマーには責任が取れないですよね!
いくら「シャンプーに問題はないんだ~!洗い方が悪いんだぁ~!」と叫んでも、誰も信じてくれません!
お客様、動物病院、シャンプーの販売元など、色々な所からボコボコにされます!
ですので、仕事として勧めるなら、犬用を勧める以外の選択肢はないのです。
ただしトリマーの知識としては、ネットに出回っている情報はあてにならないということも、知っておくべきですよね!
PHを理由に人間用シャンプーが駄目だと言いながら、炭酸線とか勧めていたら、おかしな話になります。
あと、シャンプーや、水道水のPHは、実際に計ってみましょう!
使っている犬用シャンプーや水のPHが弱酸性なのに、PHを理由に『犬に人間用のシャンプーは使えません!』などと言っていたら恥ずかしいですよね!
自分の髪を洗ってみるのもいいですね!洗浄力を身を持って体験できますっ!
ネットで調べているだけでは、間違った情報に惑わされる可能性もありますので、実際に色々と体験してみましょう!
立派なトリマーさんになるには、自分で試すことがとても大切ですよ!