※当サイトには広告が表示されます。

トリマー・訓練士のお仕事

犬に人間用のシャンプーは使えるの?代用は可能?

2020年7月3日

飼い主さん
犬に人間用のシャンプーを使っても大丈夫??
飼い主さん
犬用シャンプーがなくなった時は、人間用シャンプーで代用しても大丈夫??

お客様にこんな質問をされることありませんか?

最近はお客様もネットで色々な情報を仕入れているので、かなり突っ込んで聞いてきますからね。

 

管理人は『犬に人間用のシャンプーは使える&代用も可能!ただし、お客様にお勧めするのは絶対に犬用です!』と答えています。

トリマーが『犬に人間用のシャンプーを使える!代用は可能!』と言うと、大概ビックリされますけどね!

 

もちろん管理人は適当に答えている訳ではありません。

今まで学んできたことや、経験から導き出した答えで『犬に人間用のシャンプーは使える』と言っています。

それでは、

  • なぜ犬に人間用のシャンプーを使える&代用は可能と言うのか
  • なぜお客様には犬用を勧めるのか

を説明しましょう!

なぜ犬に人間用シャンプーを使えるし、代用しても問題はないのか

管理人
犬の皮膚にあっていれば、人間用のシャンプーを犬に使っても問題はない。

犬用のシャンプーよりも、その犬の皮膚にあう場合もある。

ただし、判断できる経験と技術がなければ、犬用のシャンプーを使うのが無難だし、家で使うなら断然犬用!

シャンプーは犬用、人間用に関係なく犬の皮膚にあった物を使うことが大事です。

犬用シャンプーを使ってもその犬の皮膚にあっていなければダメです。

 

逆に人間用のシャンプーを使っても犬の皮膚にあっていれば何の問題もおこりません。

ですので、私は『犬に人間用のシャンプーを使えるし、代用しても問題ない』と考えています。

 

先生と呼ばれる人でも人間用のシャンプーどころか、中性洗剤(食器洗い洗剤)などで犬を洗う人はいますからね。
(イジメではなくて理由があってのことですよ!)

うちのトリミングサロンでも犬用シャンプーでは皮膚が荒れてしまい、人間用のシャンプーに変えたら、皮膚の調子が良くなった子もいます。

お客様の希望で、その子は今でも人間用のシャンプーを使っています。

 

上記のことから人間用のシャンプーを使うこと自体は問題ないのです。

ただし、何か問題が起きた時に責任問題になるので、仕事としてお客様に勧めるのは犬用シャンプーになってしまいます

管理人
『できること』と『やっていいこと』は全く別の話ですからね。

犬には人間用シャンプーを使える&代用も可能!ネットの反対派に反論!

さてこのように『犬に人間用のシャンプーは使える!代用も可能!』というと

インターネットでは犬に人間用のシャンプーを使うことはNGと書いてあった!

と言われることもあります。

当然のことですが『犬に人間用のシャンプーを使える!』と主張するからには、根拠のある反論をしなければなりません。

 

一般的に、人間用のシャンプーが犬に使えないと言われる理由は、次のような点ですよね!

ダメと言われる理由

  • 皮膚のPHの違い
  • 皮膚の厚さの違い
  • 対象とする汚れの違い
  • 香りの違い

 

犬と人間では皮膚の作りも、汚れ方も違うので、犬に人間用のシャンプーは使えないという理由です!

ただし、この理由はあまりあてになりません。

むしろ色々と矛盾しているのです。

1つずつ反論していきましょう!

犬と人間の「皮膚のPH」は違うから人間用のシャンプーは使えないに反論!

人間の皮膚は「弱酸性」、犬の皮膚は「中性から弱アルカリ性」!
皮膚のPHが違うから、犬に人間用のシャンプーは使えるわけがない!

犬専用のシャンプーを使うべきだ!

犬に人間用のシャンプーが使えない理由として、よく聞きく理由ですね!

なんとなく納得してしまいそうな理由です。

たしかに皮膚と同じPHのシャンプーで洗った方が、肌に良い気もします!

 

ただし、この理由は美容師さんや、トリマーさんなら、「??」となってしまいますよね!
その理由は次の通りです。

理由

  • 犬用のシャンプーは、全てがアルカリ性ではない。逆も同じ
  • 水道水のPHを考えていない
  • 流行りの炭酸線は弱酸性

それでは、順番に説明していきましょう!

犬用のシャンプーは、全てがアルカリ性ではない。

人間用のシャンプーが全て「弱酸性」な訳ではありませんし、犬用のシャンプーが全て「中性から弱アルカリ性」な訳ではありません。

『犬に人間用のシャンプーが使えない』という方の中には、犬用のシャンプーは全て「中性から弱アルカリ性」という前提で話をしている人がいますが、そんな事実はありません

その為、犬用のシャンプーだからといって、同じPHの物で洗っているとは言えません。

 

まぁ、人間用のリンスの類は別かな。

リンス類にはアルカリ性に傾いたPHを、弱酸性に戻す役割があるので、使えば確実に弱酸性に傾くでしょう。

 

ただし、人間も犬もシャンプーをした時に、一時的にPHが傾いても、自然と正常値に戻ります。

ですので「そんなにPHを気にする必要があるのかな?」という感じですね。

人間用シャンプーのPHは気にするけど、水道水のPHは考えていない

PHを本当に気にするなら、シャンプーよりも「水道水のPH」が大事!

『犬に人間用のシャンプーが使えない』理由がPHの値なら、シャンプー以外でも犬の皮膚につく物全てのPHを気にする必要がありますよね!

そうなると水のPHはとても大事です!

だって犬の皮膚にシャンプー剤が付いている時間より、水がついている時間の方が断然長いから!

シャンプーのPHだけ気にして、水道水のPHを気にしないのは意味がないです。

 

そこで、水道水のPHを見てみると、基準値(水道水として許される値)は「5.8〜8.6」なので、弱酸性から弱アルカリ性と幅広い定義!

pHの水道水質基準値(5.8〜8.6)は、水道施設の腐食等を防止する観点から、中性付近の値にあることが望ましいとして決められています。
これは、化学的根拠に基づく基準ではなく、過去の実態調査で、自然水のpHがおおむね5〜9であるという結果に基づいています。

なお、東京の水道水のpHは、平成25年度、平均7.6(6.8~8.1)でおおむね中性です。

引用:東京都水道局 トピック第5回 pH(ピーエッチ)とは?

東京都は平均7.6(6.8~8.1)でおおむね中性だけど、弱酸性の時もあるっていうことだよね。
地域によっては、5.8レベルの弱酸性もあるということでしょう。

PHを気にするなら、犬も人間も水道水のPHが皮膚に近い日にしか洗えない

でも、この基準値だと、肌とかけ離れたPHで洗い流すこともあるわけだから、この点からもPHを気にする意味を感じられない。

最近流行りの炭酸線は「弱酸性」!PHを気にするなら使えないね!

PH主張派が一気に不利になる要因が、最近流行りの炭酸泉!

お湯に炭酸ガスを溶かしたやつです!

別名は二酸化炭素泉

 

トリミングサロンでも、皮膚によいなどの効能をうたってますよね!

高級なペットサロンでは、デフォルトで炭酸泉が使われていたりします!

かけ流しではなくて、炭酸泉の中にワンちゃんを10分程入れるサービスもあります。

 

うちのお店ではオプション扱いですが、ご利用になるお客様は多いです。
そんな炭酸線ですが、PHはなんと4.5~5.5の弱酸性です。

炭酸泉なんて犬の皮膚のPHを気にするなら絶対に使えませんよね!

でも、皮膚があれた子は今のところいません。

むしろみんな「毛がふわふわになった」、「皮膚の荒れが治った」と言ってるくらいですね。

 

PHの違いに害があるならトリミングサロンは、炭酸線を使えない。
でも沢山のお店で使われていて人気がある!

この点からも、PHを気にする理由はよくわかりませんね。

 

私が一番不思議なのがPHを理由に『犬に人間用のシャンプーは使えない!』と言っているのに、炭酸泉は使う人が多いこと。

理論が破綻しているのに気が付いていないのでしょうか・・・。

犬と人間の「皮膚の厚さ」は違う!けど人間用シャンプーの何が問題?

犬の皮膚は人間よりもとても薄いので、人間用のシャンプーでは洗浄力が強すぎて肌を傷める。

だから犬に人間用のシャンプーは使えない!

これも犬に人間用のシャンプーが使えない理由としてよく言われます。

なんか納得してしまいそうな理由ですね!確かに犬の皮膚は薄いからね!

 

ただ、犬用も人間用もシャンプーの洗浄力はピンキリです!

なぜか、犬用より人間用のシャンプーの方が洗浄力が強い前提なんですよね。

誰が試したんだろう。

 

そして薄いとはいえ、犬の皮膚を傷めるようなシャンプーは人間にもダメージがでるよ・・・。

人間は毎日シャンプーするんだよ?

そんなシャンプーは、人間でも使えません!

『犬に人間用のシャンプーが使えない!』と言っている人は、普段どんな強力なシャンプーを使っているのでしょうか。

 

基本的に肌を傷めるかどうかは、洗浄力より、洗い方が問題になることの方が圧倒的に多い。

正しい洗い方をしていれば、まず肌は痛めないですよね。

犬用と人間用はシャンプーが対象としてる「汚れ」が違う?誰が試したの?

人間は皮脂汚れもあれば、スタイリング剤もつける、犬は埃くらいしか落とす汚れがない!
シャンプーが対象としている、汚れの種類が違う!

だから犬に人間用のシャンプーは使えない!

これも犬に人間用のシャンプーが使えない理由としてたまに聞きます!

 

たしかに犬は鼻先や、足の裏からしか汗をかかないからねぇ。

長いことシャンプーで洗っていなくても、犬の皮膚がベトベトと、脂っぽくなることはないですよね!(病気の場合を除く!)

人間用シャンプーだと必要以上に皮膚の油とか、落としてしまいそうだもんねっ!

 

実はこの説を、管理人も一時期は信じてた!

犬用のシャンプーは皮脂の汚れや、スタイリング剤を落とす力はないんだと!

そんな洗浄力はないんだと!

しかし、これは間違いだということがわかったのです!

管理人
人間はすぐベトベトになるよね!頭皮がっ!管理人だけかな?

職業柄、シャンプーのサンプルをよく貰うんですよ!お店で余ることもありますしっ!

そんなサンプルや余った犬用シャンプーは、自分の髪を洗うのに使っています

お客様の犬に、サンプルのシャンプーとか使えませんからね!

 

管理人はワックスやジェルも使いますし、40代なので頭から油も沢山でてきます!

そんな管理人の頭も、犬用シャンプーで汚れが落ちなかったことがありません!
ですので、犬用のシャンプーにも、皮脂汚れやスタイリング剤を落とす力はあります

ちなみに管理人は40代にしては髪がある方なので、禿げてるから汚れが落ちやすい訳ではないと思うんだ・・・。

犬用シャンプーで洗っている管理人(人間)の髪

犬用シャンプーを使っている人間(管理人)の髪です!40代男性にしてはある方だと自負しています!そんなにパサパサでもないですよね!?

皮脂汚れやスタイリング剤を落とす力が犬用のシャンプーにある以上、シャンプーが対象としている汚れが違うから、犬に人間用のシャンプーは使えないとは言えないですよね!

犬用と人間用の「シャンプーの香り」の違い!香りもピンキリです!

人間用のシャンプーは、犬には香りが強すぎる!

だから犬に人間用のシャンプーは使えない!

もう、これも言うまでもありませんが・・・。

人間用のシャンプーも香りはピンキリです!

何回も同じようなことを言っているので、自粛しますね!

犬に人間用のシャンプーは使えるの?代用は可能?【まとめ】

ここまで人間用のシャンプーが問題ないと言っているなら、なぜお客様に犬用を勧めるのか!

その理由はたった1つ!

責任が取れないからですっ!

 

世の中の「○○用」と書いてある商品は、その対象以外に使う時は自己責任になります。

 

問題が起きた時に、人間用のシャンプーを使っていたと言えば、メーカーにも病院にも「犬用を使って下さい!」と言われて終わりです。

人間用のシャンプーを犬に使ったことが原因ではなく、飼い主さんの洗い方に問題があったとしても、問題の切り分けの時点で弾かれます。

シャンプーを作ったメーカーが人間用と言っている限り、それは人間の為のシャンプーなのです。

 

そうなるとトリマーには責任が取れないですよね!

いくら「シャンプーに問題はないんだ~!洗い方が悪いんだぁ~!」と叫んでも、誰も信じてくれません!

お客様、動物病院、シャンプーの販売元など、色々な所からボコボコにされます!

ですので、仕事として勧めるなら、犬用を勧める以外の選択肢はないのです。

 

ただしトリマーの知識としては、ネットに出回っている情報はあてにならないということも、知っておくべきですよね!

PHを理由に人間用シャンプーが駄目だと言いながら、炭酸線とか勧めていたら、おかしな話になります

 

あと、シャンプーや、水道水のPHは、実際に計ってみましょう!

使っている犬用シャンプーや水のPHが弱酸性なのに、PHを理由に『犬に人間用のシャンプーは使えません!』などと言っていたら恥ずかしいですよね!

 

自分の髪を洗ってみるのもいいですね!洗浄力を身を持って体験できますっ!

ネットで調べているだけでは、間違った情報に惑わされる可能性もありますので、実際に色々と体験してみましょう!

立派なトリマーさんになるには、自分で試すことがとても大切ですよ!


はなげんき(トリマー兼店長)

30代でIT業界から動物業界に転職し、3匹の犬と生活しています。

トリマー&訓練士の生活や、自分の趣味などを公開中!

月間20万PV突破!
いつもありがとうございます!

-トリマー・訓練士のお仕事
-,