トリミングサロンにくるお客様からこの様な質問をよくされます。
ただし私は訓練の師匠に、犬にそのよう思考回路は無いと教えられています。
そして自分がトリマーになって色々な犬を見た結果、やはり犬はそんな判断基準はもっていないとの結論に至りました。
ということで、今回は犬は犬嫌いな人がわかる説には無理があるという話をしたいと思います。
野生の犬は専門外ですので判断できません。
『犬は犬嫌いな人がわかる』という説は無理がある
私が『犬は犬嫌いな人がわかる』という説に無理があると考える一番の理由。
それは、犬にそんな能力があれば、犬と人間の間にトラブルが起きないということ。
犬と人間の間に起きるトラブルって、基本的に犬が犬嫌いな人に近寄ることで発生するんですよ。
トリミングサロンに来るお客様の中にも、飼っているワンちゃんが犬嫌いな人に近づいてしまった為にトラブルになったケースがいくつかあります。
ですので、犬に犬嫌いな人がわかる能力は無いと判断しています。
犬は賢い生き物ですが『この人は犬嫌いな人かな?』なんて考えて行動するのは難しいですよ。
犬は犬嫌いな人がわかるのではなく経験から判断している
それは犬が自分の過去の経験から、自分にとって安全な人か危険な人(警戒すべき人)かを判断しているから。
初対面の人でも自分にとって安全と判断すれば近寄りますし、危険と判断すれば威嚇したり吠えたりします。
それが飼い主さんには『うちの子は犬嫌いな人がわかるんだ!』と見えているだけです。
ですので、人懐っこくて人に優しくされたことが多いワンちゃんは、犬嫌いの人にも不用意に近づいてしまいトラブルになりやすいです。
逆に人に対して怖い思いをしたことが多い犬は、相手が犬好きであっても警戒して近寄りません。
ただし、それは犬嫌いな人がわかる訳ではないですよね。
犬が警戒する相手の特徴
それでは最後に犬が警戒しやすい相手の特徴を説明しますね。
よほどの怖がりでなければ、犬が警戒するパターンは以下の3つです。
- 過去に嫌な思いをした相手に似てる人
- 犬が初めて見るタイプの人
- 犬の飼い主が嫌いな相手
犬が過去に嫌な思いをした相手に似てる人
過去に嫌な思いをした人はもちろん、その人に似ている人も犬は警戒します。
『そんな場所も気になる?』なんて細かい所で判断してくる子もいます。
私の体験から犬が判断基準として見ていると考えられる点は次の通り。
犬が判断基準にしていたこと
- 性別
- 声の質
- 服装
- 髪型
- 体型
性別はもちろんですが、声や髪形、服装や体形など細かい判断基準があるようです。
トリミングサロンの制服では唸って手が付けられなかった子が、私服に着替えたとたんに大人しくなった事もあります。
髪を短く刈上げて坊主にしたら、自分の担当犬が怖がって近寄ってこなくなったこともあります。
男性が苦手で吠えるというので、試しに思いっきり高い声で接したら受け入れてくれたなど、判断基準は犬それぞれです。
これらの子は制服や、短い髪形、低い声に警戒すべき体験をしたのでしょう。
そしてこれらの判断基準は子犬期の体験が元になっていることが多いです。
犬が初めて見るタイプ(見慣れないタイプ)の人
成犬の場合は初めてみるタイプの人や見慣れないタイプの人は基本的に警戒します。
ですので、犬が見慣れない動きをする人や、奇抜な服装の人などは警戒されやすいです。
また家族に子供や高齢の方がいない場合は、そのような年齢の人を警戒することもあります。
犬の飼い主が嫌いな相手
犬は飼い主さんの緊張や不安はすぐに感じ取ります。
ですので、飼い主さんが嫌いな相手を警戒する犬は多いです。
たまに『うちの子は私が嫌いな人は追っ払ってくれるの!』と言う飼い主さんがいます。
間違ってはいませんが・・・飼い主さんの不安や緊張に同調しているだけですので、犬にとっては良い状態ではありませんね。
犬は犬嫌いな人がわかる?|犬にそんな能力はない ~まとめ~
今回は『犬は犬嫌いな人がわかるの?』という疑問に対する、私の見解を説明させて頂きました。
私の結論では『犬は犬嫌いな人がわかるのか?』という疑問に対する答えは『犬にそんな能力はない』となります。
正直このような話には様々な意見がありますので『うちの子は犬嫌いな人がわかる!』とおっしゃる飼い主さんもいるとは思います。
人間にもやたらと勘がよかったり、特殊能力がある人もいるので、もしかしたら犬にもそのような子がいるのかもしれません。
ただし、ほとんどのワンちゃんには犬嫌いな人がわかる能力はないと判断しています!
もし不明点があればコメントを下さい!
私のわかる範囲で回答します!