犬の健康な生活には欠かせない日々の愛犬のお手入れ。
そんな大切な犬のお手入れですが、自分できない飼い主さんも中にはいらっしゃいます。
毛玉、毛もつれがあり、足の毛はボーボー、爪も長め、目周りには目ヤニ、涙焼けがあり・・・近づくと少し臭い。
そんな可哀想な子が、飼い犬でも存在します。

実は犬のお手入れができない飼い主さんには、似たような特徴があるんです!
また、この特徴は「しつけ(トレーニング)」ができない飼い主さんとも共通しています!
そこで今回はトリマー&訓練士から見た『犬のお手入れ(しつけ)ができない飼い主の特徴』をご紹介します!
犬のお手入れ(しつけ)ができない飼い主の特徴は「やる気が無い」
『犬のお手入れ(しつけ)ができない飼い主の特徴』で一番多いのがこのパターンです。
月に一回はトリミングサロンでシャンプーやカットをしたとしても、家でまったくお手入れをしなければ汚いですよね!
人間でも月1回の美容室やエステサロン以外は、家では髪も洗わず、ブラシもせず、爪も切らず、髭も剃らないなんて人がいたらヤバイ人です。
正直近寄りたくないですよね。
人間の髪と同じように犬の毛には毎日のブラッシングが必要ですし、汚れたら洗って乾かす必要があります。
爪が伸びたら切り、不要な毛が伸びたら剃る必要があります。
そんな基本的な犬のお手入れすらできない飼い主さんもいるのですが・・・よく聞く理由はこんな感じです。
お手入れできない理由
・暴れるからできない
・咬んでくるからできない
・忙しくて時間がない
これらの理由は、確かに仕方がない時もあります。
初めて犬を飼って、最初の数カ月は飼い主さんも練習の時期です。
犬のお手入れ(しつけ)が出来ないこともあるでしょう!
最初からできる人はいませんからね。練習期間は必要です。
またどうしようもなく忙しくて、たまには犬のお手入れができない日もあるでしょう。
問題なのは「飼って何年もたつのに犬のお手入れができない」飼い主さんや「一年中忙しくて犬のお手入れできない」飼い主さんです。
犬の行動を理由にする飼い主さんには
『嫌がったり、暴れたりしないように、どんな練習をしてますか?』
と聞くのですが、ほとんどの場合は何の練習もしていないんですよね。
嫌がるなら、嫌がらないように練習をしなくては、いつまでたっても犬のお手入れができるようにはなりません。
犬も人間も同じですが、嫌がっても生活に必要なことを教えるのは保護者の義務です。
忙しいと言う飼い主さんには
『1日5分~10分でも時間をとれませんか?』
と聞くと、たいてい黙ってしまいます。
生き物を飼うのに忙しいは理由にならないのですが、忙しいを理由にしてるだけで「やる気がない」が本音ですね。
このような飼い主さんは申し訳ないのですが、トリマーとしては「お世話を放棄した飼い主さん」として対応します。
しつけ(トレーニング)に関しても同じです。
犬をしつける気がない飼い主さんは「犬が覚えない」、「時間がない」、「家の犬にはできない」と何かと理由をつけて、結局やろうとしません。
『犬のしつけができない』のではなく『やらない』のです。
犬は賢い生き物なのでちゃんと教えれば90%以上の子は大概のことはできるようになりますよ。
生き物を飼うのに『できない』や『忙しい』は理由になりませんよね。
本当にお世話をする能力がなく、世話をする時間がとれないのであれば、生き物を飼うべきではありません。
人間も犬も同じ生き物です!
ご飯さえ与えて生かしておけばよいというわけではありませんよ。
『犬のお手入れ(しつけ)ができない飼い主の特徴』として、とても質の悪い特徴です!
犬のお手入れ(しつけ)ができない飼い主の特徴は「いきなりハードルを上げ過ぎている」
『犬のお手入れ(しつけ)ができない飼い主の特徴』として、次に多いのがこのパターンです!
犬の事を真剣に考えて、時間がかかっても犬のお世話の練習をする。
そんなちゃんとした飼い主さんがほとんどです。
ただし、何年やっても犬のお手入れができない場合は、そもそものやり方が間違っている場合が多いです。
このタイプの飼い主さんはとても熱心で、色々な方法を調べて試されています。
ですが結論を急ぐあまり、何をやるにも最初のハードルを上げ過ぎているように見えます。
例えばブラシを嫌がる犬の場合、うちのお店では次のような順序で慣らすことをお勧めしています。
慣らす順序の例
- 犬のどこを触っても嫌がらないようにする
- 指示(マテ)で、じっとできるようにする
- ブラシを見せても嫌がらないようにする
- ブラシを持った状態で別の手で触り、嫌がらないようにする
- ブラシを毛に軽く当ててみる
- 嫌がらないところをブラッシングしてみる
一度できたからといってあせらずに、何回も繰り返してゆっくりと慣らしていきます。
急ぎ過ぎると逆戻りしてしまう場合もあるので、ゆっくり慣らします。
ですがいつまでも上手くいかない飼い主さんの場合は、このような順序を無視していることが多いです。
飼い主が体を触ることすら嫌がっている犬に、いきなりブラシを当てたりします。
自由に体を触れないと、ブラシをするのは難しいですよね。
まずは手で触っても嫌がらないようにするのが先です。
飼い主さんの指示で大人しくできない犬は、ブラシだから大人しくできない訳ではないですよね。
動きまわる犬にブラシをするのは難易度が高いので、指示で大人しくできるようにするのが先です。
このように、ブラシをする前にできないことを1つずつ減らしていくことが大事ですし、一番の近道です。
ただし、このタイプの飼い主さんは、慣らし方を提案してもなかなか聞いてくれないんですよね・・・。
聞いてくれたとしても、少しできるようになるとすぐにまたハードルをあげてしまい、嫌がる状態に逆戻りすることが多いです。

結果的に順序にはない行動(2人がかりで抑えてブラッシングなど)をしてみたりと、チャレンジ精神旺盛な方もいます。
お世話をしようとする気持ちはとても立派で、犬に対する愛情も感じるので、こちらとしてもなんと言えばよいのかがわからないタイプの飼い主さんです。
犬のしつけができない飼い主さんも同じです。
犬のトレーングもいきなりハードルを上げると必ず失敗します。
愛犬ができること、できないことを正確に把握して、犬の気持ちやレベルにあった対応が大事ですね!
犬のお手入れ(しつけ)ができない飼い主の特徴は「犬とのバランスがとれていない」
『犬のお手入れ(しつけ)ができない飼い主の特徴』として一番アドバイスしにくいのが、飼い主さんと飼い犬のバランスがとれていないパターンです。
多いのが中型犬、大型犬を飼っている場合ですね。
犬のお手入れは基本的に力ずくではやりません。
ただし、まったく力を使わないというわけではなく、多少は犬の体をおさえる力も必要もです。
飼い主さんにその力がなく物理的にお世話が難しい場合もあるんです。
犬の体を自由に操る力がないと、犬のお手入れはできないですよね!
犬のお世話も中型犬以上では、かなりの重労働です。
プロでも2人でやったりします。
力の弱い女性や、お年を召した方にはかなり難しい作業です。
「犬が大きいし重くて、家で犬のお手入れができないんだけど、どうしたらいい?」と聞かれることがよくあります。
この場合は、仕方がないので、家でのお世話を諦めるしかないと思います。
無理にやって、犬や飼い主さんに何かあったら大変ですからね。
そのかわり、トリミングなど「お世話をしてくれる施設に出す頻度を多めにしてください。」とお願いしています。

犬に力負けするようでは、トレーニングどころではありません。
やはりある程度の力がなければ、犬のしつけもできないです。
犬が少し嫌がって動いただけで、飼い主さんが引っ張られて、転倒するなどの可能性もあります。
飼い主さんと犬の安全が1番ですから、トレーニング施設のご利用をお勧めします。
このように飼い主と飼い犬のバランスが悪いと、犬のお手入れやしつけができないばかりか、日常生活にも支障がでてきます。
そうならない為にも、犬を飼う前に環境にあった犬種を考えることが大事ですね。
少なくとも犬が病気で動けない時など、緊急時に飼い主さんが抱き運べない犬は避けましょう!
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このような場合にいつも思うのですが
『なぜペットショップやブリーダーさんは、この飼い主さんにこの犬を飼わせたのだろう?』
という点です。
もちろん自分の力量に合わない犬を飼ってしまった飼い主さんの責任は重いです。
ただ犬を売る方もプロですから、飼い主さんに合った犬を紹介するべきですよね。
相手が欲しがるからとバランスを考えずに売ってしまうと、犬も飼い主さんも不幸になりますよね。
犬のお手入れ(しつけ)ができない飼い主の特徴 ~まとめ~
今回は『犬のお手入れ(しつけ)ができない飼い主の特徴』を紹介しました。
犬は自分で自分のお手入れ(しつけ)をすることができません。
飼い主さんがしっかりとお世話&しつけをしてあげてくださいね。
大事なのは犬に必要なお手入れやトレーニング方法を理解し、それを飼い主さんが実践することです。
ダメ飼い主だった管理人でも、勉強すればそれを仕事にできるくらいまでにはなりましたので。
では!最後までご覧いただきありがとうございました。