お客様からこのような質問をされたので、今回はこれに答えていきたいと思います。
たしかにヒューマングレードのドッグフードはネット販売が主流で、一般店舗では取り扱いがないですからね。
ただ、ドッグフードを販売している立場からすると、ヒューマングレードのドッグフードは仕入れること自体がリスクでしかないんですよね。
私がテナントとして入っている店舗のバイヤーさんとも話しましたが、同じ意見でした。
ネットでは大人気の『ヒューマングレードのドッグフード』ですが、リアル店舗で市販するとなると問題児なんです。
市販品
一般的な商店や店舗などで購入することができる商品のこと。
業務用や民生用ではない家庭用の商品の大部分は市販品に該当する。
引用:weblio 辞書
ヒューマングレードのドッグフードが市販されないのは『売れない』から
結論から言うと、ヒューマングレードのドッグフードが市販されない理由は『一般ウケしない = 売れない』からです。
犬の食事にお金をかける飼い主さんが増えてきてはいますが、全体で見ればまだまだ少数です。
トリミングサロンやホームセンターで売れ筋のドッグフードは、1kg500円以下の商品が主流。
1kg 1,000円を超えるドッグフードは、ほとんど売れません。
そしてヒューマングレードのドッグフードの相場は、1kg1,500~2,000円。
高い物だと1kgで3,000円を超える物もあります。
主流商品の3倍以上の価格です。
絶望的に売れない価格帯のフードになりますね。
犬の体調に合わせて、高くても必要なフードを購入するお客様は珍しい存在!
週1でトリミングに来るような裕福層をターゲットにした、高級トリミングサロンや高級ペットフード専門店でなら売れると思いますが・・・。
普通のトリミングサロンやホームセンターで仕入れても、売れる値段ではありません。
売れ残ったドッグフードほど処分に困る物はないので、市販されることはまずないでしょう。
お客様に頼まれて、割と気軽に試せる部類のヒューマングレードのドッグフードをまとめたのですが・・・。
それすら「高い!」と言われてしまいましたからね。
CHECK
■気軽に試せる部類のヒューマングレードの記事
気軽に試せる!ヒューマングレードのドッグフード
ヒューマングレードのドッグフードを市販するデメリット
ヒューマングレードのドッグフードが市販されない理由は『売れない』こと。
そしてこの状況で市販した場合、お客様にも販売店舗にもデメリットしかありません。
ということで、そんなデメリットについても説明させて頂きます。
ヒューマングレードのドッグフードは市販すると更に高くなる
ヒューマングレードのドッグフードが市販された場合、当然ながら現在より価格は高くなります。
現在の主流はネット販売なので、基本的にはドッグフードメーカーとお客様が直接取引している状況。
ただ市販となると間に販売店が入ることになります。
そして販売店としても商品を扱う以上は、利益を得ないと仕事になりません。
売れない商品では薄利多売はできませんので、きっちりとした利益を設定する必要があります。
また、管理コストも発生しますので、それらも商品代金に上乗せされます。
これはお客様にとってはデメリットでしかないですよね。
ただでさえ高いヒューマングレードのドッグフードが、市販されることにより更に高くなるので・・・。
結局『ネットの方が安いからネットで買う!』という結論になりますよね。
ヒューマングレードのドッグフードは管理が大変
ヒューマングレードのドッグフードを市販する場合の一番の問題が商品管理が大変なこと。
主に次の2点がネックになります。
- 消費期限が短い
- 保管方法が特殊
ヒューマングレードのドッグフードは消費期限が短い
ヒューマングレードのドッグフードは無添加の物が多いです。
そして無添加のドッグフードは基本的に保存料未使用!消費期限が短いんですよ。
もうここまで言えばわかると思いますが、売れなくて消費期限が短い商品は不良在庫になる以外の未来がありません。
不良在庫とは?
不良在庫とは、売れる見込みがなく経済的損失になり得る在庫のことです。
過剰生産・仕入れが原因で売れ残った商品・製品、流行遅れや型落ち、賞味期限切れのものが該当します。
他には不良品や欠陥品なども含まれます。
それを防ぐには細かい商品管理や、こまめな発注などが必要となります。
ただし、それらも含めて管理コストなので、結局は商品の販売価格に影響が出ますよね。
お店側のデメリットでもありますが、最終的にはお客様のデメリットにつながります。
ヒューマングレードのドッグフードは保管方法が特殊
ヒューマングレードのドッグフードは、要冷蔵や要冷凍など保管方法が特殊な物もあります。
そうなってくると設備投資が必要になるのですが・・・。
売れない商品への設備投資って、普通はやりません。
もし設備投資したとしても、それは商品代金で回収することになるので・・・。
やはり販売価格に影響が出ます。
そして月の電気代や、冷蔵庫のメンテナンス費用も管理コストに含まれますので、お客様にも嬉しくない結果になりますね。
ヒューマングレードのドッグフードが市販されるようになるには?
この答えは簡単です。
1kg 2,000円とか3,000円のドッグフードが主流になれば、すぐに市販されるようになります。
私の勤務先では、1kg500円レベルのドッグフードを買う方が約9割以上です。
これが逆転して、1kg 2,000円とか3,000円のドッグフードを買う方が9割を超えてくれれば、仕入れる以外の道はありません。
または、無添加のままで、消費期限を2年とかに伸ばせる技術が開発されれば、今よりは仕入れる可能性は高まりますね。
ヒューマングレードのドッグフードが市販されない理由 ~まとめ~
今回はヒューマングレードのドッグフードが市販されない理由の説明でした。
ワンちゃんにお金をかける飼い主さんとかけない飼い主さんの差って、凄く激しいんですよ!
そして、必要なことでもケチろうとする飼い主さんの割合は凄く多い。
だから、高めのフードを買っている飼い主さんは、トリミングサロンでは一目置かれる存在です。
それだけ珍しいんですよ!
こんな状況なので、個人的には『日本でヒューマングレードのドッグフードが市販されることはない!』と考えています。
意味もなく、無駄に高いご飯を購入する必要はまったくありません。
ただ、犬の体調や毛並など、改善したい悩みがある場合は、高くても問題を解決してくれるドッグフードを与えた方がいいですよ!
CHECK
レビュー
■ヒューマングレード・ドッグフードレビュー