どちらのペットフードを選べばいいの?
最近では海外製のペットフードも増えてきたので、お客様にこのような質問をされる機会が増えました。
というこことで、今回は総合栄養食とコンプリート食(コンプリートフード)の違いについて解説します。
総合栄養食とコンプリート食(コンプリートフード)の違いは栄養基準
総合栄養食とコンプリート食の違いを一言でいうと、栄養基準を定めた団体が違います。
栄養基準を定めた団体 | |
総合栄養食 | AAFCO(全米飼料検査官協会) |
コンプリートフード | FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合) |
総合栄養食はAAFCO(全米飼料検査官協会)、コンプリート食はFEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)の栄養基準を満たしている物になります。
どちらのペットフードも毎日の主要な食事として給与することを目的としている点は同じです。
総合栄養食とは
日本で総合栄養食と表示できるのは「ペットフード公正取引協議会」が定めた基準を満たしているフードのみになります。
総合栄養食とは
「総合栄養食」とは、ペットフードのうち、犬又は猫に毎日の主要な食事として給与することを目的とし、当該ペットフードと水だけで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養素的にバランスのとれた製品であって「ペットフード公正取引協議会」の定める試験の結果を基に定められています。
そして日本ではペットフードにおける独自基準が無い為、ペットフード公正取引協議会では AAFCO(全米飼料検査官協会)の定めた栄養基準を採用しています。
ですので、総合栄養食はAAFCO(全米飼料検査官協会)の栄養基準を満たしたペットフードになります。
コンプリート食(コンプリートフード)とは
FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)の定めた栄養基準を満たしたものをコンプリート食(もしくはコンプリートフード)と呼んでいます。
ドイツ製のドッグフードが流行りだしてからよく耳にするようになりました。
コンプリート食も総合栄養食と同じく、犬や猫の毎日の主要な食事として与えることを目的としています。
ですので、コンプリートフードと水だけで健康を維持できるような栄養基準は満たしています。
総合栄養食とコンプリート食(コンプリートフード)はどちらがいいの?
総合栄養食もコンプリート食も犬や猫の毎日の主要な食事として与えることを目的として作られています。
ですので、どちらが良いということはありません。
理想としている栄養基準が違うだけです。
日本では FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)に馴染みがないので、総合栄養食の方が良いイメージがあるかもしれません。
ただし、ヨーロッパでは沢山の国が加盟していて FEDIAF基準のフードが売られています。
そして FEDIAF加盟国はドイツなど犬の先進国が多いです。
そんな国で売られているコンプリードフードの栄養基準が悪い訳がありませんよね。
その様な国と比べると、犬に関しては日本、アメリカの方が少し遅れてる感じですよね。
以前に紹介した『テラカニス』など、ヒューマングレードを売りにしているドッグフードもコンプリート食が多いです。
ですので、総合栄養食もしくはコンプリート食のどちらかの基準を満たしていれば、後は愛犬や飼い主さんの好みで選べば問題ないですよ。
FEDIAF と AAFCOの詳細な栄養基準を知りたい場合は、ヤマザキ動物看護短期大学の阿部又信さんがそれを比較された『FEDIAF(欧州ペットフード工業会連合)による栄養ガイドラン』をご覧ください。
少し古い資料ですが勉強になります。
総合栄養食とコンプリート食の違い【ペットフード】~まとめ~
今回説明させて頂いた総合栄養食とコンプリート食(コンプリートフード)。
コンプリート食に関しては正式名称というか、総合栄養食と同等の『FEDIAF 基準のフードの総称』で使われていることが多いですね。
出来れば世界基準で統一して欲しいですが、犬に対する考え方が国によって違いますので難しいのかな。
日本もいつか独自の栄養基準を持てるくらい、ペットの地位が向上することを願います。