河野太郎行政改革相の発言から波紋が広がっている『ハンコの廃止』問題。
このタイミングでの行政手続きでのハンコの廃止がなぜ必要なのでしょう。理由は何なのでしょうか。
そこで今回はハンコの廃止はなぜ必要なのかと、それに対する反対派・賛成派の割合や意見・理由を調査しました!
ハンコの廃止はなぜ必要なのか。その理由は。
なぜこのタイミングでハンコの廃止案が浮上したのでしょうか。
それは菅内閣の看板政策であるデジタル庁に関連してきます。
このデジタル庁が推し進める政策の1つに『行政手続きのオンライン化』があります。
デジタル庁とは!
行政のデジタル化を進めるために新設される組織。
各省庁のデジタル化を推進する司令塔となり、今までバラバラだった行政のデジタル化を一本化して進めるための省庁です。
今まで行政の手続きを行うためには、役所などに行き書類の作成や提出が必要でした。
デジタル庁ではこれらの手続きをスマートフォンやPCからオンラインで行えるようにするとしています。
現に免許証の更新はオンライン化が発表されていますね。
この行政手続きのオンライン化を進めるにあたり、ネックとなってくるのがハンコです。
言うまでもなくハンコは紙に押すものです。
ですので、このハンコを認証手段として利用している限りオンラインへの移行は難しいですよね。
行政手続き自体はオンラインで行えても、最終的な認証手段としてハンコが必要だと、いつまでたっても紙ベースでの手続きから抜け出せず、オンラインでの完結ができません。
デジタル庁が推し進める行政手続きのオンライン化を実現する為には、ハンコに代わる認証手段が必要になってくるわけです。
このことからハンコの廃止の理由は『行政手続きのオンライン化の為』と言えるでしょう。
河野太郎大臣はなぜハンコ(押印)の廃止を提言?その理由とは。
河野太郎とは
現職の内閣府特命担当大臣(規制改革担当)
規制を改革するのに関わる行政を所管する国務大臣。
ここで間違えないようにしなければならないのは、現時点で河野太郎大臣が進めているのは『無駄な押印の廃止』であって、ハンコ自体の廃止ではありません。
行政手続きオンライン化の前段階として、まずはハンコを利用した『無駄な押印』の廃止を進めているところです。
河野氏はこの日夜、テレビ朝日の報道番組に出演し、「テレワークをやってたのにハンコを押すために(会社に)出ていかなければいけないということが随分ある」と話した。
確かに『なぜ手続きにこんなにハンコが必要なの?廃止でよくない?』と思う場面が、多々ありますよね!
また、これについては河野太郎大臣も自身のツイッターで何度か発言していますが、決してハンコ自体を廃止するという内容ではありません。
前にもツイートしたけれど、行政の手続きにハンコはやめようと言ってるのであって、ハンコ文化は好きです。 pic.twitter.com/1GFKCsxfT5
— 河野太郎 (@konotarogomame) September 23, 2020
検索に『ハンコ 廃止 反対』や『ハンコ 廃止 なぜ』が多く表示されるなど、ハンコ自体の廃止と捉えられている方もいるようですが、あくまで目的は行政手続きのオンライン化へ向けての、不必要な押印の省略です。
正しくは『押印 廃止 反対』や『押印 廃止 なぜ』ですね。
この様に言い換えるとかなり雰囲気が変わります。
また、河野太郎大臣は行政においても無条件でハンコを中止するとは言っていません。
継続する理由がある場合は、次の様に理由の提示を求めています。
裏を返せば明確な理由があれば、存続は可能という意味ですね。
河野氏の指示を受けた内閣府が24日付で各府省に通知を出した。通知では、ハンコについて①廃止②廃止の方向で検討中③存続の方向で検討中、の三つから回答するよう要請。③の「存続の方向で検討中」とした場合は、理由の提示も同時に求めている。
ハンコ廃止反対派・賛成派それぞれの意見や理由
それではハンコの廃止について、世間の反応はどうなっているのでしょうか。
まずは GMO が行った『 #さよなら印鑑キャンペーン』の結果です。
『あなたは脱ハンコに賛成?反対?』のキャッチフレーズで、脱ハンコ賛成派、脱ハンコ反対派それぞれの投票結果がでています。
脱ハンコ賛成派 | 72416票 |
脱ハンコ反対派 | 12655票 |
結果は脱ハンコ賛成派の圧勝で6倍程の差があります。
続いては『新潟日報』が行った行政での押印廃止に関するアンケート結果。
アンケートでは、行政の「脱はんこ」について「賛成」「どちらかと言えば賛成」を合わせて84%。「反対」「どちらかと言えば反対」を合わせた10%を大きく上回った。「分からない」が6%
こちらも「賛成」「どちらかと言えば賛成」が84%、「反対」「どちらかと言えば反対」を合わせた10%となっているので、賛成派が多い結果となっていますね。
世間的にはハンコの廃止に『なぜ?』と疑問を抱くよりは、好意的に受け止められているケースが多いようです。
ハンコ廃止反対派の意見や理由
ネットでのハンコ廃止反対派の意見や理由がこちら!
- ハンコは日本の重要な文化として必要
- 押印の減少はハンコ屋にとっては死活問題
- ハンコはサインより便利
- ハンコがなぜ廃止されるのか理由がわからないから
ハンコの廃止の反対理由で多かったのが、文化としてのハンコの行方を心配する声です。
たしかに押印の廃止によって、ハンコの売れ行き自体が低迷すると、日本文化としてのハンコの存続にも不安を感じますね。
意外だったのがハンコはサインより便利という意見。
海外の銀行などではサインが違うと、突っ返される事もあるそうです。
日本でもサインがメインになれば同様の現象が起こる可能性があります。
毎回同じサインを書くために練習を考えると、ハンコは便利と言えますね。
中にはハンコがなぜ廃止されるのか明確な理由がわからず反対されている方もいましたね。
ハンコ廃止賛成派の意見や理由
ネットのハンコの廃止に賛成派の意見や理由がこちら!
- ハンコは偽造されやすい(ハンコは本人確認にならない)
- 本人確認はマイナンバーカードで十分
- 実印や銀行印は有っても良いが認印は不要
- ハンコがないと物事が前に進まない状況は減らすべき
ハンコ廃止の賛成理由で多かったのは、ハンコの信用性に疑問を感じる声ですね。
確かにハンコは本人の名前に関係なく、100円ショップなどでも簡単に変えます。
そう考えると本人を証明する物としては信用性が低いですね。
また、手続きでハンコがないと何も進まない状況は厳しいですね。
なぜハンコの信用性が低いのに代替え手段が選べないのか疑問です。
これならハンコは廃止して代わりに本人の指紋を押した方が、確実な本人証明になりそうですね。
ハンコの廃止はなぜ必要なのか ~その理由 まとめ~
今回はハンコの廃止はなぜ必要と言われているのか、またそれに対する反対派と賛成派の割合や意見をまとめました。
正確には『ハンコの廃止』ではなく『無駄な押印の廃止』なのはご理解頂けたでしょうか。
アンケート結果を見る限り世間的には『なぜハンコが廃止?』と言った否定的な意見より、肯定的な意見の方が多くなっています。
たしかに何から何までハンコが必要という状況はとても面倒ですからね。
ただし
押印の廃止=ハンコの利用頻度の現象=ハンコの売れ行きの現象
となりますので、ハンコ業界にとっては『ハンコの廃止』も『押印の廃止』も意味はあまり変わりませんし、大きな問題です。
デジタル庁が進める行政のオンライン化でハンコ業界の技術を上手く利用できるような活気的な技術の登場を期待しましょう!
私としては『デジタルハンコ』的な物が登場するのではないかと予想しています!