総菜の天ぷらを踏んで転倒した男性が起こした訴訟により、大手スーパーの「サミット」に賠償を命じる判決が出ました。
同じ客商売をしている身としては、参考にして同じ轍を踏まないようにしたいところ。
そこで今回は事の経緯や、判決を下した長妻彩子裁判官の経歴についてまとめてみました。
天ぷら転倒の発端やお店の場所
読売新聞によると問題が発生したのは2018年4月。
問題が発生したお店の場所は「サミットストア練馬春日町店」。
仕事帰りに夕食を買うため「サミットストア練馬春日町店」を訪れた男性(35)が、他の利用客の落としたカボチャの天ぷらを踏んで足を滑らせて転倒。
右膝の靱帯などを痛めるケガをしました。
その出来事に対して、お店側に約141万円の損害賠償を求めて訴訟を起こします。
なお問題の総菜売り場は、客がトングで品物を取ってパックや袋に詰める形式だったということです。
参考:読売新聞 カボチャの天ぷら踏んで転倒、「靱帯痛めた」と提訴…スーパーに賠償命令
天ぷら転倒|長妻彩子裁判官の判決理由とお店の主張
お店側の主張としては「総菜を踏んで転倒するのは極めて例外的な出来事で、事故を予防するのは困難だった」としていました。
ただし、裁判を担当した長妻彩子裁判官は「想定外の事態とはいえない」と指摘。
これは消費者庁の調査(09年から7年間)の、店舗などでの転倒事故350件のうち約2割が野菜くずなど「落下物」が原因というデータに元ずくもの。
その為、天ぷらを落としたのは従業員ではなく利用客だったと認定した上で、事故は異例ではなく
- 「店側はレジ周辺の安全確認を徹底する義務を尽くさなかった」
- 「混み合う時間帯で安全確認を強化するべきだった」
- 「パックや袋詰めの不備から、客がレジに向かう途中で総菜を落とすことはあり得る」
と述べられたそうです。
一方、原因の天ぷらが縦13センチ、横10センチの大きさだったことから、長妻彩子裁判官は「原告も容易に落下物に気付くことができた」とも述べ、賠償額を減らしたということです。
なお、お店側は「判決文を読んでいないのでコメントは控えたい」としています。
参考:朝日新聞 床に落ちた天ぷらで客転倒 責任は自己?店?地裁が判断
参考:Yahoo!ニュース 天ぷら床放置、安全義務違反 サミットに賠償命令 東京地裁
天ぷら転倒で判決を下した長妻彩子裁判官の経歴
天ぷら転倒問題を担当された長妻彩子裁判官の経歴も気になったので調べてみました。
異動歴を見ても立派な方ですね。
長妻 彩子(1984年9月27日生まれ)
東京地裁判事・東京簡裁判事
異動履歴
H30. 9.20 東京地裁判事・東京簡裁判事
H30. 4. 1 東京地裁判事補・東京簡裁判事
H28. 4. 1 長野地家裁佐久支部判事補・佐久簡裁判事
H25. 7. 2 水戸家地裁判事補・水戸簡裁判事
H20. 9.20 大阪地裁判事補
(第61期)
参考:新日本法規 裁判官情報
参考:現職裁判官の期別名簿3/3
天ぷら転倒問題と長妻彩子裁判官に対する管理人の意見
客商売をする身としては、怪我をしたお客様の気持ちもわかるのですが・・・。
天ぷらを落としたのは従業員ではなく利用客だったと認定されているにも関わらず、落としたお客様ではなく店側の責任にされるのはかなりの恐怖です。
長妻彩子裁判官としては、実際に天ぷらを落とした他のお客様に罪はないと考えているということですよね。
また「混み合う時間帯で安全確認を強化するべきだった」はわかるのですが、逆に込み過ぎていると床を確認するのが困難になるのも事実です。
床が見えるくらいなら混んでいるとは言えないですからね。
どの程度の込み具合なのかも参考に把握しておきたいですね。
天ぷら転倒で賠償命令|長妻彩子裁判官の経歴や事の経緯 ~まとめ~
今回の天ぷらを踏んで転倒したことによる賠償命令。
同じ接客業としては衝撃を受ける結果でした。
怪我をされた男性の方は本当に可哀そうですが、今後これを悪用する方が出てこないかがとても不安です。
カスハラが多くなっている近年の状況を考えると、ちょっと気が重くなりますね。
お客様が落とした物に対してまで、店側に責任を求められえると・・・。
お客様が気軽に触れないようにガードするしか方法がありません。